★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★メールマガジン★☆★☆★☆★☆★☆★ ┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓ 第112号 2026/07/11 ★ 原自連(原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟) ★ ★―――――――――★ ┗━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┛ http://www.genjiren.com ★☆★☆★☆★☆★☆★メールマガジン ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
2023年のCOP28では、2030年までに再エネ比率を3倍にすることが各国政府間で決められました。
日本では再エネ比率を36%〜38%にすることが求められており、資源エネルギー庁もそのために努力していると謳っています。
しかし、6月5日に発表された「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」は、政府間の約束を反故にする内容でした。パブリックコメントも短い期間でしたが募集されたため、原自連として意見を送りました。
意見募集は7月9日に締め切られています。
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2026年7月8日 「今後の原子力政策の方向性と行動指針(案)」に対する意見
原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟
会 長 吉原 毅
顧 問 小泉純一郎
副会長 中川 秀直
幹事長 河合 弘之
事務局次長 木村結
総論
本案は、2040年代以降も原発を継続的に新設することを前提としており、事故リスクや建設費、廃炉、放射性廃棄物などの負担を将来世代に固定化する重大な政策転換である。福島第一原発事故の被害や賠償、事故処理が終わっていない中、事故の教訓、今後も掛かる費用、核のごみ、避難計画などを十分公開し、国民的議論を経て政策を見直すべきである。
1.原発新設目標は削除すべきである
本案は将来の電力需要は不確実と認めながら、原発比率20%を前提に必要な新設基数を逆算している。しかし、これは結論ありきの計算であり、新設の必要性を示したものではない。省エネ、再エネ、蓄電池、送電網強化などを含む複数シナリオを同条件で比較し、その上で判断すべきである。
2.国民負担を伴う支援制度を先行させるべきではない
本案は巨額の建設費や事業リスクを認めながら、「あらゆる支援措置」を検討するとしている。しかし建設費、電気料金や税負担、事故リスク・廃炉・放射性廃棄物を含めた総費用は示されていない。RAB方式など国民負担を伴う制度は、費用とリスクを公開し、国会で十分審議した上で検討すべきである。
3.福島事故と核のごみ対策を優先すべきである
使用済燃料や最終処分地の問題は未解決であり、本案自体もその課題を認めている。新設を語る前に、福島第一原発の廃炉、被災者支援、既存の放射性廃棄物の安全管理を優先すべきである。
4.安全審査や地元判断を軽視してはならない
安全審査や自治体・住民の意思確認は「事業上の不確実性」ではなく、市民の命を守るための重要な制度である。規制機関の独立性を維持し、避難計画や災害リスクについて第三者による検証と情報公開を徹底すべきである。
5.政策表現を改めるべきである
「建て替え」という表現では原発新設の実態が見えにくい。「原発新設(リプレースを含む)」と明記すべきである。また、「理解・受容性の確保」ではなく、賛否双方の情報公開と公開討論、市民意見の政策反映を基本とすべきである。
6.約30日間の意見募集だけで長期政策を決めるべきではない
今回の手続は任意の意見募集であり、数十年先まで影響する政策を正当化するには不十分である。全国的な公聴会や国会審議、市民参加型の議論を行い、寄せられた意見への具体的な回答と修正案を改めて公表すべきである。
7.再生可能エネルギーを優先すべきである
原発比率20%を固定するのではなく、安全性、経済性、環境負荷を総合的に比較し、再生可能エネルギー、省エネルギー、蓄電設備、送電網整備を優先すべきである。原発依存を段階的に低減するシナリオも併せて提示し、費用とリスクを比較検討することを求める。
結論
気候変動も含めて現在の地球が陥っている危機は、大量の消費にのめり込み、軍需産業を後押しし、戦争という破壊的で人間の尊厳を踏み躙る営みから抜けられない先進経済諸国の社会の実相を表している。危機の時代にあればこそ、一切の戦争を避け、再生可能エネルギーにシフトさせる歩みを強く進めたい。
本案から(1)原発新設基数・設備容量、(2)原発20%を前提とした将来像、(3)新設支援制度、(4)RAB方式等の導入検討、(5)許認可・地元了解の「円滑化」、(6)「理解・受容性の確保」に関する記述を削除すべきである。
原発新設を政府方針として決定する前に、事故リスク、全費用、廃炉、放射性廃棄物、代替策、将来世代への影響を十分公開し、国会審議と国民的熟議を経て政策を再検討することを強く求める。
(以上)