再エネ賦課金は高すぎる。電気事業者は儲け過ぎ

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★メールマガジン★☆★☆★☆★☆★☆★
┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓     第41号
2019/5/20

★ 原自連(原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟) ★    ★―――――――――★
┗━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┻━┛     http://www.genjiren.com
★☆★☆★☆★☆★☆★メールマガジン☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

<目次>

再エネ賦課金は高すぎる。電気事業者は儲け過ぎだ (三上 元)

「原発と死者の反乱」自然エネルギーでスモールワールドを(小宮 武夫)

‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡

再エネ賦課金は高すぎる。電気事業者は儲け過ぎだ
三上 元

4月の幹事会で、ソーラーシェアリングの生みの親、長島彬さんに「再エネ賦課金は電気事業者に還流されている」というお話を伺いました。その後、三上さんと近江屋さんが長島彬さんを訪問し、自然エネルギー財団の「回避可能費用の計算方法に関する分析」をもとに詳しく解説していただきました。三上さんのブログから転載させていただきます。(事務局注)

1)      FITは再エネ、太陽光電力の高価での買い取りを電気事業者に義務付けている。それを補う為に、家庭に再エネ賦課金を課している。現在、2.9円/kWh。三上家では基本料金を含めた電気料金の1割が再エネ賦課金である。ドイツでは25%だと聞く。

2)再エネを買い取る時、電気事業者は、今運転中のどれかを止める。そこで止めた電源コストはkWhいくらと算定するのか?ここが論争である。買い取り価格と止めた電源価格との差額を補う為に、再エネ賦課金が必要だからである。

3)そのコストは、短時間毎なので、減価償却費は含めず、運転コストとした。ここに論争はない。運転コストとは、ほぼ燃料費である。
燃料費の安い順に並べると水力ゼロ、原子力2円、石炭4円、ガス11円、石油16円、2012年試算。データが古くて申し訳ありませんが。
4)電気事業者は何から順に止めるのか。止めやすく、動かしやすいモノ。止めると節約できるコストの高いモノ。だから、石油かガスを止めている。原子力を止めることはない。

5)そこで、長島彬先生や自然エネルギー財団の意見は、石油やガスの運転コストと再エネ買い取り価格との差額を、家庭に課せば良い、である。

一方、経済産業省は、止めるわけがない原子力まで含めた平均コストと再エネ買い取り価格との差額にしてしまったのである。

欧米は長島彬先生の考え方と同じ方法である。
長島先生の案では、止めるコストが14円、買い取り価格を30円で計算すると16円を再エネ賦課金で集めれば良い。

経済産業省のやり方では、止めるコストが7円、買い取り価格30円で23円を再エネ賦課金で集めなければならない。
16円なら、23円より3割下げられる。

6)19年度の買い取り額は 約3兆5000億円。理論的には2兆5000億円で良いはずだ。これが電気事業者に分配されている。1兆円も電気事業者は儲け過ぎだ、これが長島先生の意見である。

後日、賦課金の2.9円と買い取り価格30円、差額の16円の関係で混乱してしまいました。という問い合わせが来ました。

30円で買い取りした。14円を止めたので16円は電気事業者に補う。この話は、国民の1部の人、再エネに投資した人と電気事業者のこと。
2.9円は、補うべき年間の総額が、3兆5000億円ぐらいなので、国民すべてに対して賦課する時、2.9円になってしまう。という関係です。

‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡

「原発と死者の反乱」自然エネルギーでスモールワールドを
小宮 武夫

知覧で特攻隊の展示を見たり、戦没学徒の手記などを読むと、死者が別れを間近にしたとき、恋人や親に懸命に愛情を注ぎ、かけがえのない命のバトンを渡そうとする。そして注がれた生者はやがて風の音や床のきしみに死者のありかを感じ、受け取った愛のバトンをどう次に手渡すのか、負債を負うことになる。

しかし、私達の時代はそんな不要不急な債務を思案することを許さない。国家や大企業が支配する平時のビックワールドでは戦場は日常の仕事の中に隠れて一寸油断をすれば戦死といってもおかしくない失業、差別、貧困が口を開いているのだ。本来、妻、家族、地域と、人は国家や大企業との間に重層的なスモールワールドを持っているのだが、三度の核の洗礼であたかも戦場の兵士のように人格も壊れてしまったのだ。

福澤諭吉の「学問のすすめ」にこんな一節がある。「独立の気力なき者は必ず人に依頼す、人に依頼する者は必ず人を恐る、人を恐る者は必ず人にへつらう者なり。常に人にへつらう者は次第にこれに慣れ、その面の皮、鉄の如くなりて、恥ずべきを恥じず、論ずべきを論ぜず……。(中略)実に無気力の鉄面皮と云うべし。

百二十年以上も前に福澤諭吉が危惧していた情況が今、ここにある。核と云う人類を瞬時に滅ぼす最終兵器産業を頂点とするビックワールド。この威喝の前になすべきがなかった時代が移り、エネルギーと食糧を人々の手に取り戻す仕組みがLOTなどデジタル技術の発達に支えられて動き出している。そして原発があらゆる所で火を噴き出し、安価なエネルギーという謳い文句が実は核兵器の隠れ蓑であるどころか国家を潰す巨大なゴミであることを露呈している。にもかかわらずビックワールドに媚を売り、スモークワールドの道筋を示せないこの国の指導者たち。「恥じない、論じない、人にへつらい、その面の皮は鉄のように厚い。」これでは死者達の反乱がいつ起きても不思議ではないのだ。先年オバマ大統領が広島で空を仰いで犠牲者の霊に語りかけてくれた。官僚がつくった慰霊文を読み上げるどこかの指導者と大きな違いではないか。

平成に戦争はなかったと云われるが、天災、差別、格差、貧困による戦死はおびただしい。ビックワールドの綻びを露呈した原発に反対の運動を続けながら。地域に自然エネルギーを起爆剤としてITに支えられたスモールワールドを無数につくっていくのだ。ネット、AI、ロボットは個人の力を強くし「独立の気力」を養う。ビックワールドに依存してライフスキルを失った私たちは、まず自然エネルギーをスモールワールドに取り戻し、ビックワールドに依存しない独立をめざそう。それが死者がくれた愛に対するせめてもの恩返しとなろう。

‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡

<講演会予定>

☆小泉 純一郎講演会 6月22日(土)14時
北海道更別村ふるさと館

★団体個人を問わず会員を募集しています。(登録、会費など無料
ホームページからご登録お願いいたします。
http://genjiren.com/ml_application.html

(1)     代表者名(ふりがな) (2)団体名(ふりがな) (3)個人参加者名(ふりがな) (4)電話番号 (5)メールアドレス (6)郵便番号(地域分けに必要です)
問い合わせは下記連絡先にございます。
http://genjiren.com/contact_new/
トップページはこちらです。
http://www.genjiren.com

★当会のリーフレットは以下からダウンロードできます。10部単位での送付も受け付けます。送り先などご明記の上、メールにてご用命ください。
http://genjiren.main.jp/wp-content/uploads/2018/11/gnjrn_lf_prnt.pdf

★原自連は会費をいただかず、寄付のみで運営されております。
領収書が必要な方は、ご送金の上ご連絡ください。
(任意団体のため税金の控除の対象にはなりません)
城南信用金庫 営業部本店 普通預金 849353
原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
原自連(原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟)
事務局次長 木村結
〒160-0003 東京都新宿区四谷本塩町4-15新井ビル3F
TEL 03-6883-3498 FAX03-6709-8712
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★