再公開質問: 立憲民主党の枝野幸男代表に

原子力政策に関する公開質問状に対する枝野代表からの回答に対し、再度公開質問状をお送りました。

 

2021年8月2日

立憲民主党代表
枝野幸男 殿

原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟
会 長 吉原 毅
顧 問 小泉 純一郎
顧 問 細川 護煕
副会長 中川 秀直
幹事長 河合 弘之
事務局次長 木村 結

再質問状(公開)

 

2021年6月14日付で当方が発した公開質問状に対し、貴党、貴殿より2021年7月6日に回答書を頂きました。

その回答は平成10年7月29日に電気事業連合会の立ち会いのもと行われた青森県、六ヶ所村、日本原燃株式会社の間の覚書(以下、本件覚書といいます)を根拠にしています。

しかしながら、この本件覚書には政府は関与していません。これは国の約束ではないのです。それなのにこれを「この約束を破ってしまったら、政府が信用されなくなります。」と枝野党首は言っているのです。政府の約束でないものを政府の約束であるかのごとく言うのは誤りであり、誤りをもとに「最終処分場が決まらない限り原発はやめられない」などというのは公党の党首として恥ずかしいことです。

この本件覚書の文言は「再処理事業の確実な実施が著しく困難となった場合には、青森県、六ヶ所村及び日本原燃株式会社が協議のうえ、日本原燃株式会社は、使用済燃料の施設外への搬出を含め、速やかに必要かつ適切な措置を講ずるものとする。」です。これにより義務を負うのは日本原燃株式会社だけです。国ではありません。

また、貴回答は「全ての原発を廃止すれば使用済核燃料再処理事業は不要となります」と述べますが、完全な誤りです。全ての原発を廃止しても膨大な使用済核燃料が残されますからその再処理事業は今後数十年継続されます。論理的に明白なことです。(なお、以上のように言うからといって私達が再処理を容認しているわけではなく、再処理はやめて直接処分をすべきだと主張しています。しかしこれは別の議論です。)

次に日本原燃が負う義務は、再処理事業の確実な実施が著しく困難となった場合に、「青森県、六ヶ所村と協議」することです。「使用済燃料の施設外の搬出を含め、速やかに必要かつ適切な措置」について協議すべきなのです。そこには硬直な決め事は記載されていません。施設外への搬出は「速やかに」とはされていません。また、必ず「搬出」しなければならないともされていません。「搬出」を含む「必要かつ適切な措置」(裁量・協議の余地あり)を協議により決定し実行すべきなのです。

その結果、直接処分場の開設や各原発サイトへの返送等があり得ると思われます。

「全ての原発を廃止すれば、使用済核燃料再処理事業は不要となり、使用済核燃料を速やかに施設外に搬出する義務が発生する」という貴回答書の見解が誤りであることは明白です。

以上のとおり、貴殿のインタビュー記事での見解(最終処分場を決めなければ原発廃止を宣言できないという見解)が誤りであり、貴党回答書の見解(本件覚書を根拠とする「全ての原発を廃止すれば、使用済核燃料再処理事業は不要となります。そうなれば、使用済核燃料を速やかに施設外に搬出しなければならなくなりますが、その行き先は決まっていません。」という見解)が誤りであることは明らかであり、その見解の撤回を求めます。下記質問1、2、3に回答欄に明確に記載することによって本年8月15日までに御回答下さい。

質問1.平成10年7月29日付の本件覚書は政府が当事者でないことを認めますか。

 

質問2.「全ての原発を廃止すれば使用済核燃料再処理事業は不要となります」との主張は誤りであることを認めますか。

認める                 認めない

その理由

 

質問3.「全ての原発を廃止すれば、使用済核燃料再処理事業は不要となり、使用済核燃料を速やかに施設外に発生する義務が発生する」との見解が誤りであることを認めますか。

認める                 認めない

その理由

 

最後に申し上げます。現在の政治問題の中で最も深刻で重要なことは全原発を廃止して原発重大事故を防ぎ国の安全を守るかどうかと言うことです。そのことは東京電力福島原発事故当時に政権党であった民主党の流れをくむ貴党及び内閣官房長官であった貴殿は分かっているはずです。全原発の即時廃止もしくは可及的速やかな廃止を主な公約として選挙を戦えば圧倒的国民は支持をし、投票します。その数は原発容認の野党議員及びその支持者(労働組合)の数の比ではありません。それにも拘わらずそれらの者の意向を忖度していつまでも明確な公約を掲げないから政権奪取⇒脱原発が実現できないのです。

貴党及び貴殿の勇断を求めます。

 

以上

 

(連絡先)

原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟
住所:東京都新宿区四谷本塩町4−15 新井ビル3階
電話:03-6883-3498
FAX:03-6709-8712
MAIL:genjiren2017@gmail.com

 

記者会見:福島原発事故から10年

2021年2月4日、記者会見「原発ゼロ 自然エネルギー100 世界会議〜福島原発事故から10年〜」をよい仕事おこしプラザ(天空橋)で開催しました。会場に出席してくださった記者は約20名、オンライン参加者は30名、海外からの質問もきました。

防護服を医療関係者に譲ってください


2020年4月20日

東京電力ホールディングス株式会社
取締役会長 川村隆殿
代表執行役社長 小早川智明殿

原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟
顧問 小泉純一郎
顧問 細川護熙
会長 吉原毅
副会長 中川秀直
幹事長 河合弘之

防護服を医療現場に譲ってください

各地の原子力発電所の作業現場は、換気が悪く、政府の言う「三密状態」にあります。

東京電力福島第一原発の冷却作業現場、汚染水処理現場も同様ですが、これら作業は無人化した場合に再度、原子力災害を引き起こす恐れがあるため、一切を停止することは出来ないと思われます。

しかしながら、汚染水対策作業や炉心の冷却作業等、必要不可欠なものを除く「不要不急」と考えられる作業は、これを新型コロナウイルス緊急事態宣言が終了するまで停止することを要請します。

作業員は、いわば「見えざる敵」である放射能に加えて、新型コロナウイルス感染症の恐怖にも晒されており、極めて強いストレスを感じている人が増えていると考えられます。精神的な重圧は冷静な判断を狂わせることにもなり、私たちは現場の安全管理について危惧しています。

医療の現場でも、マスクだけではなく使い切り医療防護服が枯渇する医療機関が増えており、ゴミ袋や手作りゴーグルで代用したり、大阪府のように雨合羽の提供を呼びかけたり、農家からはビニールハウス用のビニールが寄附されたりと、国全体で医療崩壊をなんとか防止しようと、医療従事者による苦闘が続いています。

これについて、一つの重要なお願いがあります。

原発を保有する電力会社には、放射線防護服の備蓄が大量に存在すると思われます。是非、これを活用し、医療従事者、ひいては国民を守ることに活用することを決断して下さい。

備蓄している放射線防護服を医療機関に提供して下さい。

全国医師会で医療防護服やマスクの不足状況が分かります。厚生労働省は現在、まともに機能していません。本来は感染症対策の最前線に立つべき、内閣危機管理監(新型コロナウイルス感染症対策本部幹事会議長)は姿も見えません。

最速で医療現場に渡るよう、経産省と電力会社で連携して、直接医療現場に譲渡していただきますよう、お願いいたします。

原発ゼロに賛成か否かの立場にかかわらず、いまは一致協力して、コロナという人類の危機に対応すべきだと思います。

(以上)