「発電市民」が都市を変える

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┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓     第96号 2024/03/24
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戦時下のウクライナからの詩          藤木 八圭

「発電市民」が都市を変える          小宮 武夫

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戦時下のウクライナから詩を3編紹介します。
連日、報道されている「ウクライナ戦争風景」とは異なるでしょうが、
これが市井の現実ですし、これが“戦争”です。
私もかつて、これと似た現実を見ました。 ビアフラで・・
藤木八圭

詩編1 『食べ物』 名前:サーシャ  リヴィウ在住

うちに一人のおじいちゃんがきていました。
「どうぞ召し上がれ!」。
何度言っても断ろうとするのです。
そこでわたしは、この国の高齢者に必ず効くと、ある方便を使います。
「召し上がってくださいね、どうせ捨てることになるんですから」
すると彼曰く「分かりましたいただきます」
ちょうどナイフとフォークを切らしていたから、急いで取りに行ったんです。
戻ってくると、おやまあ、おじいちゃんはもう素手で食べているんではありませんか。

詩編2 『妊娠』  名前:ターニャ  ドネツク在住

2014年の夏に赤ん坊を抱いてドネツクから脱出しました。
それ以来、わたしはひどく妊娠を恐れていました。
妊娠すると、そのとたんにまたすべてが始まってしまうんじゃないか、と。
ことろでキーウ郊外から逃げようとした時点ですでに妊娠2か月でした。
チェルニウツイに着いたところでわたしの妊娠はぴたりと終わりました。
医者に聞いたけれど、戦争が始まったときから診ている妊婦の3人に1人は、
同じように、先にこの世を去ると決めた赤ちゃんを身ごもっているそうです。
医者になって30年間、こんなことは見たことがないそうです。

詩篇3  『痛み』  名前:アンドリー   リビウ在住:
痛みはどんな臭いががするか、って?
臭いのバリエーションは、一時緊急避難車に乗ればたいがい分かるもんだ。
まず何よりも、市場の精肉の臭い。
血液の、甘く、わずかに金属っぽさの混じった臭いだな。
痛みは、汗とか、何日も洗っていない体の臭いもするし、アルコール、ヨウ素溶液、
塩素の臭いなんかも付け加えられるね。
この臭いの束を仕上げるのは、戦場の煙とコーヒー、そしてタバコの臭い。
痛みの臭いは、忘れられるもんじゃない。

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「発電市民」が都市を変える
―浪江のちち牛が伝えるものー
小宮武夫

朝日新聞(2024年3月11日朝刊文化面)によれば、ハンガリーの巨匠タル・ベーラ監督の指導で内外の映像作家が福島で創った作品の上映会がこのほど開かれ、日本の作品では福永壮志監督の「浪江ちち牛物語」が注目された。

この映画は、原発事故で住民が避難した後の浪江町で、残された乳牛を安楽死させる酪農家が作った紙芝居が元になっている。手塩に掛けて育てた牛が「一瞬にして奪われてしまった」事に福永監督は「大変なことが起こった」と伝えている。

“牛を殺す”と云うのは酪農家にとって宿命的な“聖なる儀式”である。
生計のために、我が子のように育てた牛の未来を奪うことで一人前の酪農家が誕生する。職業とは本来、自分の未来のさまざまな可能性をあたかも手塩に掛けた無垢の子を殺すように“聖なるもの”に捧げ、代わりに冷酷な現実から糧を得る“鬼の宿業”なのだ。

浪江の大量な安楽死とは、そうした人間の聖なる儀式とは縁もゆかりもない、ナチスの“ホローコスト”と同類の、核の本質がもつ暴力の現れだ。放射能と同様、目には見えないこの暴力は、希釈された汚染水が海の魚に潜り込むように私達の日常に滲透して権力に対する無気力や暮らしの息苦しさの素になっているのではないか。

異常気象や地震など科学である程度予測されうるものなら打つ手はある。例えばかつてニューヨークでハリケーンの高潮被害の経験から住民の合議で実施された沿岸地域の都市改造などよい例だ。

それに較べ日本でここ数年来、専門家が警告する首都直下型地震に対する東京下町区部の対応はどうだろう。東日本大震災をはるかに超える死者が予測されているのに組織も個人も人ごとの様に、丁度福島原発事故で知らぬ振りをしてやり過ごした同じ冷血さと付合してはいまいか。

しかし、変化の兆はあるのだ。東京の新築住宅に課される太陽光発電パネルの設置義務化がそれだ。人々はエネルギーを自前で自宅生産する事になるから、もはや他人ごとではない。すると地震で壊れるような家では投資の意味がないし、自分の街が壊滅しても更に共に困難が増す。都市改造の問題に必ずや議論が拡がる筈だ。人々のそれぞれの発電が公共の街造りの問題に進化していくのだ。

今起こっている戦争や紛争はエネルギーと食糧が原因であり、武器にもなっている。だから核で威嚇する権力者にこの二つを頼ってはならない。甘い補助金で核のホローコストに誘い込む黒い牛(原発)にトドメを刺し、鬼の宿業を背負った若者のように太陽光発電で自立しなければならない。そこから発電市民と云う新時代のプロフェッショナルが誕生するのだ。

民主主義は言葉による口先の遊びとは訳が違う。情報社会の栄養素であるエネルギーという生産要素が市民の小さなプロダクツとしてそれぞれの家庭で自給できるようになったことが大きい。この産物の小さなやりとりから花咲か爺のように民主主義という大きな花が咲くのだ。

浪江の牛もただでは死なない。こうして映像となって原発という冷血と戦っているのだ。発電市民は消された乳牛のためにも聖なる祈りを込めて、一枚の太陽光パネルに思いを託さねばならない。それがプロフェッショナルの秘密。新しい発電市民の熱血の秘密なのだ。今、監督が云うように「大変なことが起きている」のだ。
2024年3月11日

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