2025年7月3日
朝日新聞社 代表取締役社長 角田克 殿
東洋経済オンライン報道における発言の撤回と辞任を求める
原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟
会長 吉原 毅
顧問 小泉純一郎
副会長 中川 秀直
幹事長 河合 弘之
事務局次長 木村 結
朝日新聞社角田克社長は、東洋経済オンラインのインタビュー(2025年6月25日)の冒頭において「AIやデータセンターは原発がないと動かせないようなことも、みんなわかっている」と発言した。この発言は、AIやデータセンターの円滑な運営、発展を必要不可欠のこととした上で、
①そのためには原発による電力が不可欠であると断定し
②その①をみんな(全ての人、すなわち国民がみな)が知り、是認している
とするものである。
しかし上記①は誤りである。
データセンターは原発に依存しないエネルギーで現に動いており、上記のデータセンターは原発がないと動かせないというのは明確な誤りである。
例えば、株式会社シーラでは、2022年5月に、RE100に準拠した再生可能エネルギー100%のデータセンターを設立している。またキャノンマーケティングジャパングループのクオリサイトテクノロジーズ株式会社でもRE100準拠の再生可能エネルギー100%のデータセンターを含む本社施設を名護に設置し運用を開始している。RE100に準拠しなければ海外からの投資や海外への進出ができにくい状況であることは、既に知られている。にも関わらず、報道機関の社長がこのような不見識な発言をするのは、時代錯誤であること以上に作為的であり、到底看過できない。
②も誤りである。AIやデータセンターのために原発が不可欠などという主張に対しては、「近い将来、技術が発達するので、そのような大量の電力は不要」とか「大量の電力が必要だとしても、原発以外の電力(例えば自然エネルギー)で十分まかなえる」などの有力な主張があるのであって、「みんなが分かっている」というような事実はない。そもそも「みんなが言っている」というような語法は、偽情報を他者に伝え、広めるときに使用されるものであり、良識ある言論人として決して用いてはならないものである。朝日新聞はファクトチェックを重視し、専門部署を発足と今年6月に報道したばかりである。ファクトチェックを重視するとしていながら、角田社長が誤った情報を発信するのは、報道機関として、また一人の言論人としてもあってはならない。
朝日新聞は長く原発容認だった。社会の公器としての役割を果たさず、安全性の検証をしっかり行うことなく、福島第一原発事故が起きた。その反省に立って2011年7月、紙面を大きく割いて脱原発宣言をした。これは、リスクを伝えてこなかったメディアにも責任がある、との反省に基づいたものであり、記事は共感を持って迎えられた。
今回の角田社長の発言は、この会社としての宣言もしくは基本方針に反し、ファクトにも反している。その責任は重大である。
我々のメンバーの大多数を含む朝日新聞の読者は、今回の角田社長の発言に深く失望している。多数の読者の離反もあり得る。
よって我々としては、角田社長に対し、今回の発言を撤回し、責任をとって辞任することを要求する。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 原自連(原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟) 事務局次長 木村結 genjiren2017@gmail.com http://www.genjiren.com 〒160-0003東京都新宿区四谷本塩町4−15 さくら共同ビルB1 TEL 03-6709-0718 FAX 03-6709-8712携帯 090-6183-3061 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆