講演会「自然エネルギーを社会に受容させるために」

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┏━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┳━┓     第99号 2024/09/21
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*原子力政策に関する所感          村田 光平(元駐スイス大使)

*講演会「自然エネルギーを社会に受容させるために」
(講演会 講演者の詳細な紹介文も加えました。)

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原子力政策に関する所感

村田光平(元駐スイス大使)

皆様

これまでも度重ねて示されてきておりますが、原子力に関しては専門家の知見よりは市民社会の直観の方が信頼できることが、能登地震の震源地近くに建設予定だった珠洲原発を2003年に阻止した市民運動が決定的に立証いたしました。

頻発する能登半島地震が今後の日本の原子力政策に及ぼす影響に関する所感をお届けいたします。
我が国の原子力政策は事故の再発を許すものであり、根底から見直しを行うことを迫るに至りました。

1.      原発はその所在国に向けられた原爆であることがウクライナのザボリ―ジャ原発に加えられている軍事攻撃により立証されております。脱原発は核廃絶の不可欠の要件であり、その前提条件とするべきです。

2.      日本における原発の安全については総理大臣を含め責任の所在が不明のまま放置されております。原子力委員会もその責任を負わないことを明言しております。
無責任体制が放置されているのが驚くべき悲しい現状です。

3.原発事故の再発が深刻に憂慮されます。稼働中の基準地震動は600ガルから1000ガル程度ですが、能登半島地震では最大で2828ガルが観測されております。
これまでも度重ねて基準地震動が低すぎることが指摘されてきましたが、驚くことにいまだ旧態依然です。南海トラフ地震の接近を前になすすべがないのが現状です。

4.      能登半島地震は改めて再稼働が不道徳・無責任であることを想起させます。今後10年間で20兆円規模の政府支援を行うとされるGX政策(グリーントランスフォーメーション)は当然修正が求められます。同政策は能登半島地震の教訓を踏まえていないのみならず、市民社会は同政策は原子力と化石燃料の延命・推進、再エネ・省エネの妨げになると見ております。原発の増設を見込む同政策のどこがグリーンなのでしょうか。

5.      日本の将来、世界の将来にとり最も懸念されるのは六ケ所村の再処理工場の存在です。ケルンの原子炉研究所によれば同工場で事故が起これば福島1000基分の放射能が拡散し1万キロ四方の住人が急性被曝で死亡するとのことです。
人類の存亡にかかわる問題と言えます。
皆様の御支援を得てこの問題に立ち向かうことが出来ることを祈ってやみません
(了)

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「自然エネルギーを社会に受容させるために」

自然エネルギーの重要性は浸透し、ドイツでは昨年58%に達し、日本でも25.7%になりました。しかし、現実に設置となると景観や環境への影響を懸念する声が多く、事業者も設置自治体も苦労しておられます。スペインの環境団体オケストラのエネルギー分野の上級研究員のホルヘ・フェルナンデス氏を迎えて如何に社会的合意を得るかを学び実践に役立てたいと思います。

講師:ホルヘ・フェルナンデス
期日:9月30日(月)15時から17時

オンライン視聴のみになります。事前にお申し込みください。

山林の斜面を削って設置された大規模な太陽光発電は、森林を破壊し、動物・生物の生息環境に影響を与え、また、土砂崩れや洪水の拡大という副作用をもたらしている。また、高さが数百メートルに及ぶ大規模な風力発電は、その巨大な羽を運ぶために大規模な直線的な林道を必要とし、これもまた、大規模な自然破壊を伴う。大規模な自然エネルギーは、日本全国で、自然破壊という新たな課題をもたらしている。

このような「ある問題を解決しようとするためにエネルギー転換が別の問題を引き起こす可能性がある。こういう性質をもつ課題は『やっかいな問題』と呼ばれている。きれいな答えが見つからず、個別の事例での試行錯誤によってしか回答がみつからないといった問題の性質ゆえに『やっかい』なのである。環境問題にはさまざまなトレードオフがあり、『やっかいな問題』に直面することは珍しくなく、再生可能エネルギーが地域社会や人々の生活、生態系などに影響をもたらす環境負荷の問題も一つの典型例である」(丸山康司・西城戸誠編著『どうすればエネルギー転換はうまくいくのか』(新泉社、2022年、17頁~18頁))

この「やっかいな問題」は、我が国だけの問題ではなく、再生可能エネルギー100%社会を実現しようと本気になって取り組んでいる国が、共通して直面している問題である。EUでは、エネルギーコミュニティの設立や、エネルギーの自家消費、省エネへの取組は、先進的な地域における自発的な取組みを超えて、法律により、各自治体が行政事務として取組まなければならない局面になっており、まさに面的な取組みとなって加速しており、「やっかいな問題」の解決はますます重要となっている。
(もっとも、ドイツなど土地利用規制・自然保護法制が強力な国では、乱開発と言われるような状況にまで至ることは少ないが、それでも、農地などでの開発については「やっかいな問題」は発生しており、共通性がある。)

再生可能エネルギーの社会的受容を高めるためには、どうしたらいいのか?が盛んに議論されており、また、日々実践されている段階である。

この点について、スペイン・デウスト大学(ビルバオ市)の、「オーケストラ研究所」(バスク競争力研究所)では、「地域の再生可能エネルギー事業の社会的受容」(ステファニア・モスケラ・ロペス、ホルヘ・フェルナンデス・ゴメス)を公表し、この問題について、概要、以下のように提言している。
・社会的受容の欠如は、プロジェクトの利益とコストが開発事業体とそれが実施されるコミュニティの間で公平に分配されていないと人々が認識しているという事実に関連している。

→社会と再生可能なインフラが立地する地域の一般的な幸福に貢献する合意に達する必要がある。
・再生可能エネルギーが開発される地域に複数の利益をもたらすという認識がある場合に促進される。プロジェクトに対する「ノー」は、住民の特性と利益に関する十分な情報を提供しないこと、または適切なタイミングで提供しないこと、および参加の機会と代替案の欠如にも関連している。
→プロジェクトの初期段階からの積極的な参加(市民が開発機関や公的機関と協議・協力できる)、プロジェクトのあらゆる側面(技術、経済、金融、環境)に関する効果的なコミュニケーションと情報戦略、各地域の特性やニーズに応じたプロジェクトの設計など、さまざまなメカニズムを通じて達成される。
https://www.orkestra.deusto.es/en/publications-search/publications/reports/orkestra-notebooks/2672-230071-social-acceptance-local-renewable-energy-projects

ホルヘ・フェルナンデス – オルケストラ・バスク競争力研究所 (deusto.es)
(専門分野の内容、HPから引用)

「ホルヘ・フェルナンデスは、2018年3月からオルケストラのエネルギー分野の上級研究員兼コーディネーターを務めています。ジョージタウン大学(ワシントンDC)で経済学の博士号を取得し、エネルギー分野で幅広い専門的経験を持っている。

彼の知識は、経済学、エネルギー市場(電力と天然ガス)の設計と規制、エネルギー市場における取引とリスク管理、物的および金融資産の評価、エネルギー価格と需要のモデリング、応用ミクロ経済学とミクロ計量経済学、卸売市場と天然ガスハブの分野に焦点を当てている。

それ以前は、MIBGASの戦略、規制、市場分析の分野で分析ディレクターを務めていました。イベリア・ガス・ハブのテクニカル・ディレクターとして、イベリア半島のガス・ハブの開発と導入に取り組み、同社の卸売天然ガス市場における仲介サービスを主導しました。Intermoney Energíaの副ゼネラルマネージャーとして、エネルギー市場の規制と機能の分析を専門とするコンサルタントチームを率い、エネルギー市場における取引とリスク管理、電力市場の規制と設計、またはエネルギーと社会プロジェクトに関連するプロジェクトを主導した。また、NERA Economic Consultingのコンサルタントとして、電力セクターにおける規制活動の分析と電力市場の機能に関連するプロジェクトに携わりました。ホルヘは、エネルギー市場の機能と規制に関連する問題に関するさまざまな専門誌や書籍に記事を発表している。さらに、彼はスペインのエネルギー部門に関連する多数のコース、会議、専門会議で講演者を務めてきた。」
申込:genjiren2017@gmail.com
主催:原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟 http://genjiren.com
協賛:isep特定非営利法人環境エネルギー政策研究所
https://www.isep.or.jp
ソーラーシェアリング推進連盟
https://solar-sharing.jp
全国ご当地エネルギー協会
https://communitypower.jp
ソーラーシェアリング総合研究所
https://iriss.tokyo/

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書籍を販売しております。
*「原発と人類」:副会長の中川秀直元科学技術庁長官が5月に講演したものを映像と豊富な資料でまとめた冊子です。(送料含め1000円)

*「なぜ日本は原発を止められないのか?安全神話に加担した政・官・業・学そしてマスコミの大罪!」青木美希 文藝春秋 (送料含め1100円)

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代金は、城南信用金庫・営業本店・普通口座・849353
名義:原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟
お振り込み後にメール(genjiren2017@gmail.com)をお願いします。

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事務所が移転しました。
〒160-0004 東京都新宿区四谷1-7装美ビル602
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