「東電株主代表訴訟」に歴史的な判決

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*「東電株主代表訴訟」に歴史的な判決
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「東電株主代表訴訟」に歴史的な判決
7月13日、東京地裁民事8部で出された「東電株主代表訴訟」の画期的な判決は、連日報道されましたので、歓喜した方も多かったことと思います。原自連の幹事長河合弘之、賛同人海渡雄一が弁護団共同代表を務め、事務局次長木村結が、原告事務局長を務めて11年闘ってきた裁判です。報道では、細切れにしか弁護士や原告の発言が紹介されていないため、こちらで紹介させていただきます。
判決文の要旨、全文などは東電株主代表訴訟のHPをご覧ください
朝倉裁判長と川村、丹下裁判官が7ヶ月掛かったと発言した600頁もの判決、私もゆっくり読もうと思っていますが、NHKのNEWS WEB が被告についても詳しく報道し、多摩大の田坂広志のコメントも紹介されていますので、URLを貼ります。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220713/k10013715511000.html

2022年7 月13日
東電株主代表訴訟原告

11年間共に闘ってきた原告、そして弁護団と健闘を称え合いたいと思います。更に33年前から東電の株を購入して株主総会で脱原発提案を訴え続けてきた東電株主運動のメンバーに感謝します。何度も挫けそうになりながらも東電の杜撰な経営を許してはいけない、首都圏の電気を作るために福島や新潟の人々が危険にさらされている現実を変えなければいけない、と闘ってきました。株主にしかできない株主代表訴訟を提起し、原発事故を引き起こした旧取締役5名の社会的責任を追求することができたのを嬉しく思います。

どのような技術でもヒューマンエラーはありますが、原発はひとたび事故を起こせば取り返しのつかない被害を生命と環境に与えます。そのような原発を運転する会社の取締役には、他の会社とは比較にならない大きな責任が伴います。その重責を担う覚悟を持たない者は、責任を取れない者は取締役などになってはいけないのだということを示していただいたと考えます。

判決をいただいた朝倉裁判長と川村、丹下裁判官にも感謝申し上げます。証人席に立った専門家や被告に対して詳細にわたる質問をしていただき、想定問答を繰り返してきたであろう被告たちが言葉に詰まる場面もあり、聞き応えのある尋問を展開していただきました。特に、「水密化」が造船や潜水技術として古くから確立された技術であり、津波対策として簡単にできる水密化すらしなかった東電の危機意識のなさ、予測能力のなさ、5人の取締役の明らかな任務懈怠が浮き彫りにされました。ちなみにこの「水密化」は6月17日の原発被害者訴訟の最高裁判決で、後知恵だと唾棄されたのです。裁判官の資質が、自分の知識を常に疑う真摯な公平性が裁判官にとっていかに大切かを知る判決でした。

また、長きにわたった裁判の中、原告が提出した事実経過表に被告側の主張も書き添えて主張の違いをひと目でわかるように提案してくださった大竹裁判長にも感動しました。公正に裁判していただいたことを感謝しています。

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東電株主代表訴訟弁護団

本日東京地裁民事第8部(商事部・朝倉佳秀裁判長、丹下将克裁判官、川村久美子裁判官)は、東京電力の株主らが、東京電力に代わって、元役員の善管注意義務違反によって、福島原発事故を発生させたとして、東京電力に与えた損害についての賠償を求めていた「東電株主代表訴訟」について、原告らの請求を認め、被告勝俣、清水、武黒及び武藤に対して、連帯して13兆3210億円の損害賠償の支払いを命ずる判決を下した。

判決は、まず、原発を設置、運転する会社は、最新の科学的、専門技術的知見に基づいて想定される津波により原発の安全性が損なわれ、炉心損傷ないし炉心溶融に至り、過酷事故が発生するおそれがある場合には、これにより生命、身体及び財産等を受け得るものに対し、当該想定される津波による過酷事故を防止するために必要な措置を講ずべき義務を負うと判示した。このように、原発には過酷事故の危険性があり、それがゆえに万が一にも事故を起こさないようにしなければならないことを正面から認めている。

そして、政府の地震調査研究推進本部が2002年7月に示した、三陸沖から房総沖の日本海溝沿いで、過去400年間に3回大規模な津波地震が発生し、このような津波地震が福島県沖でも発生し得ることを指摘した長期評価には、津波対策の実施を基礎づける信頼性があったことを認めた。のみならず、津波堆積物調査に基づく貞観津波の波源モデルについての知見についても信頼性及びこれに基づく予見可能性を認めた。

また、判決は津波対策の実施によって、事故の結果が回避できたかどうかについて、津波の浸入を防ぐための防潮堤などの大規模な津波対策を講ずるためには、ある程度時間がかかるとしても、運転を継続するためには、速やかに津波による浸水を防ぐための水密化など措置を講ずる必要があり、このような工事は可能であったと判断した。このような判断は最高裁判決における三浦判事の少数意見と軌を一にするものである。

このような判断は原告らの立証だけでなく、裁判所自らが被告らへの綿密な補充尋問を行い、福島第一原発における現地進行協議を実施した結果にもとづき、確信をもって判断されたものである。

被告武藤、被告武黒及び被告小森は原子力担当役員として、平成20年~平成21年には、推本の長期評価にもとづく津波対策が避けられないものであることについて、説明を受けていたのであり、津波対策を講じなかったことは任務懈怠に該当すると認定した。

被告勝俣及び被告清水は、平成21年2月の御前会議における吉田部長の発言にもとづいて、対策を命ずることは可能であったとして、責任を認めた。

6月17日に最高裁で不当判決が出された直後であるにもかかわらず、福島第一原発事故を引き起こした東電及び被告らの過失を正面から認めたことに対しては、敬意を表したい。そしてこの判決は、現在東京高裁において弁論再開の可能性がある東電刑事裁判の審理と結論に大きな影響を及ぼすものである。

この判決は、福島原発事故の原因に関して最も包括的な証拠調べを実施し、これにもとづいて判断されたものである。被告らは、原発事故によって甚大な被害を多くの住民に与えたことについて少しでも反省する心があるなら、住民に対して深く謝罪をし、この判決に対して控訴することなく、これに従うべきである。
右声明する。

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