ドイツ・エネルギーの本当の話

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2019/09/17

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ドイツ・エネルギー視察報告
加藤秀司

【はじめに】
9月8日~14日に、私が会長を努める住宅事業者団体の、恒例のドイツ・エネルギー視察に参りました。

昨年の9月は視察中に、北海道の地震・停電が発生し、今年は成田出発半日後の台風で、今日も千葉県では停電が続いています。被災された方には心よりお見舞い申し上げます。
しかしながら二年連続の事態に妙な因縁を感じております。以下視察で見たこと、というよりも感じたことを報告いたします。

【<1>16%対40%】
この数字は電力に占める、自然エネルギーの割合です。もちろん前者が日本で後者がドイツですが、ドイツは今年の上半期44%に達したそうです。それでも供給スピードの遅さが若者のデモ活動に繋がっているのが現状です。一方日本のこの数字から、古くからある水力発電やバイオマス(これは問題が多い発電方法です)を除いた、太陽光+風力に関しては5~6%しかありません。これって誤差の範囲?というくらいのしょぼいレベルですよね。ドイツでは風力が自然エネルギーを牽引しており、電力価格の算出の基も風力発電の価格になっています。また、太陽光の現状は次項で述べます。

【<2>太陽光の復活と蓄電池の爆発】
視察中、2つの太陽光関連の会社を訪問しました。
ドイツでは自然エネルギーを普及させるために2000年から、固定価格買取制度=発電した全電力量を固定価格で20年間買い取る制度、を進めてきましたがこれが終了し、太陽光の販売量は一気に落ち込んで、太陽光関連企業の倒産が相次いだそうです。それが今や完全復活しています。
その理由がよろしい(笑)
別にドイツ政府が普及を政策で手助けしたわけではありません。買い取り制度は終わったままです。ではなぜ?

ドイツでは電気料金が上昇し続けています。平均日本円で約29円です。(→でも日本の電気代もほぼ同程度ですが。)

一方で、太陽光と蓄電池の価格は下落しました。
この結果です。
つまり政策によって誘導された需要ではなく、単純に、否、純粋に高い電気代を生涯払い続けるよりも設置した方が得だから、なのです。

驚いたのは、フライブルクにあるBRAUN社で私が、「太陽光単体を設置する場合と、太陽光と蓄電池とセットする場合の販売比率は?」とたずねたら、「ん?」と怪訝そうな顔をされて、「蓄電池セットが7、太陽光単体は1程度です。」と当然でしょ?とも言いたげな表情で答えました。そして「太陽光は完全に復活して、更に増え続けている。蓄電池にいたっては爆発的で、今発注すると納期が12か月かかります」とのこと。

皆さん、ドイツは日本と違って停電ってほとんどない国です。そんな国で経済メリットのために普及が進んでいるって凄くないですか
視察を案内してくれる日本人によれば「今29円の電気代が、これからもっと上がることは間違いないことはわかりきってますからね」とのこと。この普及の流れが止まることはないでしょう。
そして、皆さん、日本の事態はとても深刻です。
次の次にその点を述べます。

【<3>工場やオフィスの屋根上太陽光】
これも明るい未来を感じました。
ドイツでは企業が自社の工場や倉庫、オフィスの屋根に太陽光を設置する動きが加速しています。

そもそも自然破壊につながる野立ての太陽光(もちろんソーラーシェアリングのような手法は素晴しいの一語です)には私も反対です。
ドイツでは野立てのソーラーは、ゴミの埋め立て地の上、とか高速道路からの設置範囲など、厳しく設置の規制があります。対して日本の野立てソーラーの規制はメチャクチャだと思います。

そんなよろしくないタイプの野立てソーラーよりも企業や自治体が屋根上に設置した方がよほど合理的です。
フライブルクにある、有機野菜農法を扱う会社の屋根上太陽光に視察に行きました。広大な屋根に800kwものソーラーパネルが設置されていました。
この会社はトラック40台を有し、社員300名の会社で、冷蔵庫等で大量の電気を消費していますが、設置した結果年間の電気代は30万ユーロ(約3600万円)からざっと半分になったそうです。1800万円もの経費節減です。この例も、<2>にて述べたとおり、政策誘導の売電収入目的ではなく、純粋に経費削減のためには設置した方が得だから・・が理由なのが明るいです。

【<4>千葉の停電と日本の電力業界】
ここから暗い話になります。しかし直視すべき現実です。
原自連で事務局をつとめていただいている木村結さんから、千葉の停電の復旧の遅さが東電の送電線投資の圧縮に関連している、との報道記事を送っていただきました。

現地で本件を議論しました。これは結構重たい現実です。

視察を受け入れてくださっているのはドイツ在住の日本人の方々で、本当のエネルギーのプロたちです。以前から彼らはこんな指摘をしていました。

「日本の送電線の整備は本当に遅れている。まともに補修やリフォームを行おうと思うと、電気代の上昇につながるし、それが許されない状況のようです。」

「更に来年4月に、全電力会社は発電会社と送電会社が分離されます(発送電分離)。今まで会社の収益はセットされて混ぜ合わせて計上できたし、送電網の整備を見送る判断もできた。しかし分離されたらどうですか?送電会社は送電線に関して責任を負うわけで、当然整備に投資を行うでしょう。そうなれば電気代(託送料)は確実に上昇します。」

これは深刻です。日本では電力需要の増える見込みはありません。また国の政策は全く不十分ながらも自然エネルギーの比率は拡大していきます。電力会社には経営的に逆風が吹き荒れています。そんな中で今回台風で、高圧の鉄塔が倒れたのです。今後送電網のインフラ整備に一体いくらかかるのでしょうか?
更に懸念されるのは、「短期的には」儲かる原発の再稼働を強める動きは加速するでしょう。「でないと電気代が上がるのです!」をセットに。

一方で明るい未来にもつながると考えます。

【<5>日本の明るい話】
<4>の現実によって、日本の電気代はどこまで上がるのだろうか、と議論しました。

上がる要素は、1・消費税の上昇、2・燃料費調整額の反転上昇、3・再エネ賦課金の上昇、4・福島原発の廃炉費(当初10兆→21兆、日経センターの予測では60~70兆?)、5・送電網の整備費用、あと可能性があるのが、6・炭素税の導入・・・・・・

ざっとワット価格で50円!になるのでは?という試算が出ました。今の約倍です。

この価格は今のドイツ(29円)を更に上回るレベルですが、ドイツの場合は上昇しているのは電気代だけではありません。消費者物価も、そしてサラリーマンの年収も上昇しています。ドイツ国内の一般市民の間で、電気代の上昇が話題になることはないそうです。ところが日本は違います。ここまで政府が頑張ってもインフレ2%はいまだ実現していません。平均賃金も上がっていない中で、電気料金上昇の与える痛みはドイツの比ではありません。

となると、日本でもドイツのような現象が=上がる続ける電気代を一生払い続けるよりも・・の動きが起きることが予想されます。<2>で挙げた家庭用の太陽光+蓄電池の導入、そして、<3>の工場やオフィスの屋根上も日本の制度が許せばドイツ同様の流れが生まれるでしょう。マンションや分譲住宅の一括受電や、アパートにも設置できる屋根スペースさえあれば・・制度的に許されるのであれば、日本でも一気に導入が進む可能性があります。

電力会社はよく「送電線が空いていない」とおっしゃいます。
屋根上のソーラーをその建物で自家消費すれば、その分送電線は空いてきます。そして企業が休みの日等に使い切れない余った電力を送電網につないでくだされば、一気に普及は進み、結果として送電線の空き容量は増えるのではないでしょうか。

【<6>日本へのメッセージをいただきました】
ボーデン湖のほとりにある、ジンゲンという街で、ソーラーコンプレックス社という太陽光設置会社の視察に行ったときのことです。

女性の説明者がプレゼンの最後に、私たちに向けてこんなメッセージを送ってくれました。

「ドイツでも原発を止めるまでには長い議論があり、最終的には止める時期を2035年にしよう、ということが決まっていました。しかしフクシマで事故が起きました、これは私たちにとって大変ショックなことでした。そしてドイツでは原発を止める時期を2022年に前倒ししたのです。」
「これは個人的な話ですが、被害にあわれた皆さんの国が原発をまたやろう、としていることが私には理解できません」

・・・

全員に沈黙が走りました。
私「同感です。恥ずかしいことです。」
終了後、個別にその女性とお話しした最後に「いろいろな制約や障害があって大変だとは思いますが、どうか頑張ってください」とねぎらいの言葉を頂戴しました。

以上で報告を終わります。最後までお読みいただいてありがとうございました。

(事務局より:今回の千葉の停電。太陽光発電を実施されておられる方でも蓄電設備がないために自家用に使えなかった方が多くいらっしゃいました。加藤さんは、以前から蓄電池と太陽光発電をセットで普及しておられます。ご関心のある方は事務局にご連絡ください。)

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